英語版流行語:Word of the Yearで2024年を振り返ろう!
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年末が近づくと、各国の辞書出版社や団体が「Word of the Year(今年の言葉)」を発表します。
これらの言葉には、その年を象徴するような社会的、文化的なトレンドや出来事が反映されることから、多くの注目を集めます。
みなさんは2024年を振り返ると、どんな言葉が思い浮かびますか?
パリオリンピック・パラリンピックの開催、各国での大統領選挙、EUでは世界初のAI法が制定されるなど、世界的にもさまざまな出来事がありましたね。
この記事では、イギリスの辞書出版社が選んだ2024年のWord of the Yearを取り上げ、その背景や意味を解説していきます。
「今年の言葉」を通じて、2024年の出来事やトレンドを一緒に振り返ろう!
2023年までの「Word of the Year」を紹介した記事もあるよ。ぜひ読んでみてね!
Word of the Yearとは?2020年~2023年を振り返ってみよう!
オックスフォード英語辞典のWord of the Year 2024
デジタル時代の「brain rot」
オックスフォード英語辞典が選んだ 2024年のWord of the Yearは「brain rot(脳の腐敗)」でした。
「brain rot」は「brain(脳)」と「rot(腐敗)」を組み合わせた言葉で、特にソーシャルメディアやインターネット上の低品質なコンテンツを過剰に消費することで、精神的または知的状態に悪影響を及ぼす現象を指します。
実はこの言葉には歴史的なルーツがあります。初めて記されたのはインターネットのない1854年でした。
アメリカの作家ソローが自著『Walden』で、複雑な思考を軽視し、単純な思考を支持する社会の傾向を「脳の腐敗」と批判しました。
初出では社会批判に使われた言葉ですが、現在ではデジタル時代の懸念を表すインターネットスラングとして広まっています。
デジタル全盛時代における時間の使い方や影響について考えさせられる言葉であり、改めて言葉の持つ「時代を映し出す力」を感じますよね。
バランスの取れたデジタルライフが重要なんだね!
とらんもお休みの日はデジタルデトックスをして、自然の中で読書をしているよ~。
最終候補に残った注目の言葉たち
専門家の分析や一般投票、公開討論を経て「brain rot」が選ばれましたが、最終選考に残った他の言葉も気になりますよね。そこで、いくつかピックアップしてご紹介します。
- dynamic pricing(変動料金制):
需要と供給に合わせて価格を変動させる戦略。航空券の料金などで以前から存在している言葉ですが、人気歌手のコンサートチケットの価格設定から、近年再び注目を集めています。
- romantasy(ロマンタジー):
ロマンスとファンタジーの要素を組み合わせたフィクションのジャンル。本の紹介やレビューをするSNSのコミュニティ内で人気が高まり、認知度と使用頻度が増加しました。
- slop(スロップ):
AIによって生成された低品質または不正確、望まれないコンテンツ。もともとは「液体をこぼす、まき散らす」や「残飯」という意味の言葉ですが、AIコンテンツに対する批判的な意味で使われるようになりました。
コリンズ辞典のWord of the Year 2024
ポジティブな意味が加わった「brat」とは?
コリンズ辞典が2024年のWord of the Yearに選出したのは「brat」でした。
本来は「わがまま」や「悪ガキ」を意味していた「brat」は、2024年6月に同名のアルバムを発売したイギリスの人気歌手によって「自信に満ちて独立心が強く、快楽主義的な姿勢」を指すポジティブなニュアンスを含む言葉として再定義されました。
また、「brat」を使ったフレーズ「brat summer(自分らしさを大切にする生き方)」もSNSで大きな注目を集めました。このフレーズは、社会の規範や期待に縛られず、個性を大切にする生き方を表現しており、その美学やライフスタイルは多くの人に支持されています。
コリンズ辞典は「『brat』は大成功を収めたアルバムのタイトルということだけでなく、世界中の人々の共感を呼んだ文化的現象」だと説明しています。
他に注目された言葉たち
次点以下の言葉のうち、日常で使えそうな言葉をピックアップしてご紹介します。
- yapping(重要でないことを長々と話すこと):
本来は子犬が吠える様子を表す言葉でしたが、近年では他愛もない話を長々とすることを指すスラングとして使われています。おしゃべり好きな人が自らを「yapper」と呼ぶこともあり、特にSNSを中心に広まっています。
- delulu(「delusional・妄想的な」の省略形):
現実離れした妄想を持つ人や状態を指し、特にアイドルやセレブのファンが非現実的な妄想を抱く際によく使われます。そもそも「delulu」は盲目的な人を揶揄するスラングでしたが、現在ではポジティブなニュアンスも持ち合わせています。「delulu is the solulu(妄想こそが解決策)」(Delusion is the solutionの略)というフレーズは、自己肯定感を高める言葉としても広まっています。
ケンブリッジ辞典のWord of the Year 2024
日本でも馴染みのある言葉「manifest」
世界で最も古い出版会社の一つであるケンブリッジ辞典が選んだ Word of the Year 2024 は「manifest」でした。
日本でも計画や宣言書を指す政治関連の言葉としてよく耳にしますが、英語の「manifest」は本来、「明示する」や「明白な」という意味で使われていました。
それが近年では、「自分の望む結果を強く思い描くことで、現実になると信じる」という意味で使用されています。
この言葉は、著名人やスポーツ選手が自身の成功を「manifest」したと語ったことで、さらに注目されました。
自己肯定感や自尊心を高めることで、成功を引き寄せるんだね!
メジャーリーグで大活躍する大谷選手も「人生設計ノート」を書いていたと話題になったよね!
2025年の流行語予想・・・!?
ケンブリッジ辞典のWord of the Yearに選ばれるためには、すでに辞典に載っている言葉であるという条件があります。
辞典には未収録ですが、「今後の変化を注目している言葉」として5つの言葉が紹介されています。
- quishing(クイッシング:QRコード詐欺):
QRコードを利用した新たなタイプのフィッシング攻撃のこと。
- resenteeism(仕事に不満を抱きながらも辞めずに留まっていること):
「resent(腹を立てる)」と「absenteeism(常習的欠勤)」を組み合わせた言葉。「Quiet Quitting(静かな退職)」のように世間一般に普及するか、注視しているようです。
- gymfluencer(ジムフルエンサー):
「gym(ジム)」と「influencer(インフルエンサー)」を合わせた言葉で、フィットネスやボディビルに特化したインフルエンサーを指します。
- vampire(ヴァンパイア):
使用していないときでもエネルギーを消費するデバイスや家電のこと。
- cocktail party problem(またはcocktail party effect):
複数の話者がいるときに一つの声に集中するのが難しいこと。1950年代に作られた言葉で、主に聴覚学の学術書で使われていました。現代ではAIの分野、特に音声認識や音声処理に関連して使われています。
「resenteeism」や「gymfluencer」のような造語も多いですが、その多くは短命ということもあり、ケンブリッジ辞典では1年を通して言葉の定着度合いを追跡していくようです。
2025年にはどんな言葉が選出されるのか、この中から選ばれる言葉はあるのか、次のWord of the Yearに期待しましょう!
まとめ
いかがでしたか?今回の記事では、イギリスで選ばれた2024年のWord of the Yearをご紹介しました。
新しい言葉が生まれたり、既存の言葉が再定義されたことによって改めて注目されたりと、「言葉」は毎年進化を続けています。
2025年にはどのようなトレンドや出来事が言葉に影響を与えるのか、そして私たちの生活や社会にどう反映されていくのか、今から楽しみですね!
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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翻訳センター インサイドセールスチーム
とらんちゃん
「とらん」だけに「トランスレーション(翻訳)」が得意で、世界中の友達と交流している。 ポケットに入っているのは単語帳で、頭のアンテナでキャッチした情報を書き込んでいる。
- 生年月日1986年4月1日(トラ年・翻訳センター創業と同じ)
- モットー何でもトライ!
- 意気込み翻訳関連のお役立ち情報をお届けするよ。
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