Word of the Yearとは?2020年~2023年を振り返ってみよう!
Index
「そだねー」
「お・も・て・な・し」
「ONE TEAM」
「リアル二刀流/ショータイム」
これらの言葉を聞いて、懐かしい気持ちになる方もいるのではないでしょうか?年末の風物詩である「新語・流行語大賞」で過去に選出された言葉の数々です。この賞では、その年の出来事や世相を反映した言葉が数多くノミネートされます。大賞の発表は、毎年楽しみですよね。
そしてこれは、日本だけのことではありません。別の記事でも少し紹介したように海外にも「Word of the Year(ワード・オブ・ザ・イヤー、今年の言葉)」があり、世界中の人々がその結果に関心を寄せています。
野球界が大いに盛り上がった2023年。日本の「新語・流行語大賞」に選ばれたのは「アレ(A.R.E.)」でした。では、海外ではどのような言葉が「Word of the Year」に選ばれたのでしょうか。2020年から振り返ってみましょう。
とらんにも使えそうな言葉はあるかな?
世界中に友達がたくさんいるから興味津々だよ!
そもそもWord of the Yearは誰がどう選ぶの?
「Word of the Year」は、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの辞書出版社や団体が毎年発表しています。主催団体によって言葉の選出方法は異なり、代表的な例として、検索回数の多さ、一般ユーザーによる投票、有識者や専門家による選定があります。
「Word of the Year」に選ばれた言葉には、その年の海外情勢や社会問題、話題になったテーマなどが反映されることから、その国のみならず、英語圏以外の国からも注目されています。
コロナ禍の「Word of the Year」
ここ数年を振り返った時、やはり外せないのが「新型コロナウイルス」というキーワードです。
この世の中の混乱は「言葉」にどう影響したのでしょうか。
「言葉」で見るコロナ禍
2020年~2021年の「Word of the Year」では、「pandemic(パンデミック)」、「Zoom(オンライン会議)」、「virtual happy hour(リモート飲み会)」、「vax(ワクチンを表す略語)」など、2020年以前にはそれほど口にすることがなかった、新型コロナウイルス関連の言葉が数多く選出されました。そしてこれらの言葉は、今では私たちの日常にすっかりと定着し、多くの人々に意味の通じる言葉となっています。
一方、日本では、「3密」が2020年の新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれ、当時はよく耳にしていましたが、昨今ではあまり聞かなくなりました。
また、新型コロナウイルスによる混乱は「Word of the Year」にも影響をもたらしました。
イギリス・オックスフォード辞典は、毎年一つの言葉を選出し、発表していますが、新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた2020年は「一つの言葉に収まるような1年ではなかった」とし、Word of the Year 2020の発表は見送ったのです。これは2004年に制度がスタートして以来、初めての出来事でした。
そして、イギリス・ケンブリッジ辞典のWord of the Year 2021では、コロナ禍でも前向きな言葉が選出されました。「perseverance(忍耐力、粘り強さ)」です。
ケンブリッジ辞典は検索数を基準に「Word of the Year」を選出していますが、2021年2月に火星に着陸したNASAの探査車の名前が「Perseverance」だったことから検索数が大幅に増えたと考えられています。また、世界中の人々がパンデミックに立ち向かっていたことで、「忍耐力」という言葉が改めて注目を集めたのかもしれません。
探査車の名前は、13歳の少年が命名コンテストに応募して、28,000件の中から選ばれたんだって!
「人類は常に未来に向かって忍耐強く進んでいきます」という想いが込められているそうだよ!
「Word of the Year 2022」を振り返ろう!
不安な日々が続くなか、少しずつ日常を取り戻していった2022年。一方で、コロナ変異株の流行やウクライナ情勢の悪化など、新たな混乱が起きた年でもありました。2022年もさまざまな言葉が選ばれていますが、今回はその中から2つの言葉を紹介します。
「goblin mode」(イギリス・オックスフォード辞書)
「goblin mode」はヨーロッパに伝わる「ゴブリン」というイタズラ好きの緑色の妖精が語源であり、「恥ずかしげもなく気ままで、怠惰でいい加減、欲張りな態度」という意味のスラングです。一般投票で93%という大多数を占めて選ばれた「goblin mode」は、コロナ禍での行動制限が緩和されると同時にSNSで多く使われるようになりました。
欧米では「in goblin mode(ゴブリンモード中)」や「to go goblin mode(ゴブリンモードに入る)」というように使われます。
「permacrisis」(イギリス・コリンズ英語辞典)
「permacrisis」は「permanent(永続する)」と「crisis(危機)」とをあわせた言葉で、同辞典では「破滅的な出来事が続くなどして、長期にわたり不安定で安心できない状態」と定義しています。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻や、コロナ変異株の流行など、混乱が続いた2022年を表現するのにふさわしいというのが選出理由だそうです。
(使用例)
Climate change is a permacrisis.
気候変動は永続的な危機である。
英語って日本語にはない表現があって面白いね!
とらんもお休みの日は「goblin mode」に入っちゃうよ~!
気になる「Word of the Year 2023」は?
2023年もさまざまな企業や団体からWord of the Yearが発表されました。今回はその中から、2社をピックアップして紹介します。
メリアム・ウェブスター辞典(アメリカ)の「Word of the Year 2023」
2023年は「authentic(本物の、正真正銘の、信頼できる)」が選ばれました。近年、AI(人工知能)の発達によって私たちの生活はより便利になった一方、フェイクニュースやディープフェイクなどが出回るようになりました。メリアム・ウェブスター辞典は「本物と偽物の境界線が曖昧になってきている」との見解を示しています。
以前から多くの検索数を得ていた「authentic」ですが、AI、セレブ文化、アイデンティティ、ソーシャルメディアに関する記事などで多く用いられたことにより2023年は検索回数が大幅に増加したようです。
(使用例)
She shows her authentic self to everyone.
彼女は誰に対しても本当の自分を見せています。
オックスフォード辞典(イギリス)の「Word of the Year 2023」
2023年は「rizz(センスや魅力などで他の人を引き付ける能力)」が選ばれました。「rizz」とは「charisma(カリスマ)」の略語で、SNSでよく使われるスラングです。「rizz up(人を惹きつける、魅了する)」というフレーズで動詞としても使うことができます。ある俳優がインタビューの中で自分のことを「I have no rizz whatsoever.(私にはまったくリズがありません。)」と答えたことがきっかけで多く広まったようです。
この言葉は「charisma」の頭部や尾部ではなく、単語の中間部を切り取って作られた、珍しい略語です。他にも同じ成り立ちの言葉として「refrigerator(冷蔵庫)」を省略した「fridge」や「influenza(インフルエンザ)」を省略した「flu」などがあります。
また、「rizz」は検索回数が大幅に増加した言葉としてメリアム・ウェブスター辞典も取り上げており、英語圏ではまさしく2023年の流行語となりました。
まとめ
いかがでしたか?今回は2020年~2023年の「Word of the Year」をまとめて紹介しました。新しく生まれた言葉、別の意味が加えられた言葉、改めて脚光を浴びた言葉。選出の理由はさまざまであれ、「Word of the Year」を通じて、言葉の持つ面白さを感じていただけたのではないでしょうか。
さて、今後はどのような言葉が生まれるのでしょうか。皆さんも日本だけではなく海外の言葉事情にも注目してみてください!
ここまでお読みいただきありがとうございました。
※記載の法人名、会社名および製品名は、各社の登録商標および商標です。
翻訳センター インサイドセールスチーム
とらんちゃん
「とらん」だけに「トランスレーション(翻訳)」が得意で、世界中の友達と交流している。 ポケットに入っているのは単語帳で、頭のアンテナでキャッチした情報を書き込んでいる。
- 生年月日1986年4月1日(トラ年・翻訳センター創業と同じ)
- モットー何でもトライ!
- 意気込み翻訳関連のお役立ち情報をお届けするよ。
New
新着記事
2024.12.11
- イベントレポート
2024.11.27
- 翻訳あれこれ
2024.11.13
- 翻訳あれこれ
2024.10.30
- イベントレポート
お問い合わせ窓口
(受付時間:平日10:00~17:00)
新規のお問い合わせ、サービスについてのご質問など、お気軽にお問い合わせください。