「新語」と「流行語」の違いとは?2024年の新語をご紹介!

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英語圏で毎年発表される「Word of the Year」は、このブログでも度々取り上げる人気のテーマです。
日本でも「新語・流行語大賞」や「今年の漢字」をはじめ、言葉に関するランキングや賞が数多く発表されていますよね。毎年、楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。
さらに近年では、JC・JK流行語やネット流行語といったユニークな切り口で発表されるランキングも増えています。
どのランキングも興味深いものばかりですが、この記事では主に日本の辞書出版社が発表する「新語」に焦点を当て、その魅力をお伝えします!

言葉のプロである出版社はどの言葉を「新語」に選んだのかな。
そもそも、「新語」と「流行語」って何が違うんだろう?
「新語」と「流行語」の違いは?
ところで皆さんは「新語」と「流行語」の違いを説明できますか?
感覚的に理解しているつもりでも、いざ「違いは?」と聞かれたら困ってしまいますよね。
ここで定義を確認しておきましょう。
- 新語:
新しく作られた言葉や、新しい意味で使われるようになった言葉。新造語(しんぞうご)とも呼ばれます。
- 流行語:
特定の期間に話題となり、多くの人によって盛んに使われた言葉。いわゆる「はやりことば」。
「新語」はその言葉や意味自体が新しいものであるのに対し、「流行語」は既存・新出に関わらず、ある時期に多くの人に使われた言葉という点で異なります。流行語がある程度定着したのちに、新語となる場合もあります。
既存の言葉が本来の意味とは違う意味で使われるようになったり、文法的に正しくない言葉が生まれたり、新語も流行語も、時代と共に変化し続けています。
三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2024」
辞書出版社の老舗、三省堂が毎年発表している「三省堂 辞書を編む人が選ぶ『今年の新語』」は2024年に10周年を迎えました。
三省堂では、その年によく見たり聞いたりした言葉の中から、今後の辞書に載る可能性の高い言葉を10語選び、解説(語釈)をつけてベスト10を発表しています。
それでは、2024年の「今年の新語」として選ばれた言葉を見てみましょう。
大賞|学術用語から日常語になった「言語化」

2024年の大賞に選ばれたのは「言語化」でした。
この言葉には「自分の考えを整理し、筋の通った言葉として表現すること」という意味があります。
2024年に爆発的に広まった言葉ではなく、すでに多くの人が日常的に使っているため、大賞に選ばれたことを意外に思った方もいるかもしれません。
実は「言語化」は、戦前から評論や論文などで「概念を言語化する」というように、専門的な用語として使われていました。主に学術的に使われていたうえ、「一般化」や「正当化」などの「〇〇化」という言葉がすでに辞書に多数収録されていることもあって、主要な辞書には載っていなかったようです。
しかし、2020年代になると新聞で使われる頻度が増え、いつの間にか日常的に使われるようになりました。
SNSなどで自分の声を発信する機会が増えたのも、「言語化」の使用頻度が増えた要因の一つかもしれません。
三省堂は、「言葉の力がますます求められる時代の象徴として、『言語化』は大賞にふさわしいと判断した」と受賞の理由を説明しています。

「言語化」は当然のように使っているけど、実は「新語」だったんだね。
「言葉にする」ではなく「言語化」と表現する人が増えたことも面白いよね!
2位以降も注目!「今年の新語」ランキング
2位から10位に選ばれた「新語」にも、興味深い言葉がたくさんあります。ここでは、その中からいくつかの言葉をピックアップしてご紹介します。
- 2位:横転
思わず「ずっこける(ほど驚く)」こと。特にネットスラングとして使われています。
使用例:「点数が悪くて横転」「可愛すぎて横転」など。 - 3位:インプレ
インプレッションの略語で、広告やSNSの投稿などがユーザーによって見られた回数のこと。SNSでインプレ数を増やすことで得る広告収益のために、大量の迷惑投稿を行う「インプレゾンビ」の出現で注目された言葉です。 - 4位:しごでき
「仕事ができる」の略。他にも「しごおわ(仕事が終わった)」や「しごはや(仕事が早い)」などの関連語があります。 - 6位:メロい
見ているほうが夢中になって、だらしなくなるほど圧倒的な魅力のある様子。
「メロメロ」の「メロ」に形容詞語尾の「い」をつけた言葉。
皆さんも実際に使っている言葉はありましたか?
ちなみに、英語圏の「Word of The Year 2024」や「今年の新語 2024」に選ばれた言葉には、SNSでよく使われるという共通点があります。新たな言葉の創出や再定義の背景には、SNSの影響が大きいことは間違いなさそうですね。
気になる10年前の「今年の新語」は?

言葉の定着を見越して選定されている「新語」ですが、過去に選ばれた「今年の新語」は実際に定着しているのか、気になりませんか?
第一回(2015年)に選ばれた「新語」たち
そこで2015年、第一回「今年の新語」で選ばれた10語をご紹介します。
- 大賞:じわる
- 2位:マイナンバー
- 3位:LGBT
- 4位:インバウンド
- 5位:ドローン
- 6位:着圧
- 7位:言うて(ゆうて)
- 8位:爆音
- 9位:刺さる
- 10位:斜め上
皆さんも普段から使っている言葉がいくつもあるのではないでしょうか?
使われる頻度が減った言葉もあるように感じますが、一方で、定着した言葉も多いですね!
流行語は年月の経過とともに懐かしく感じるのに対し、新語は現在でも新しく感じられる言葉もあります。さすが老舗の辞書出版社が選んだ新語です。
三省堂は、「中には『予想に反して、あまり使われていない』と感じる言葉もありますが、そんな言葉も『この先どうなるか分からない』と期待を込めて観察を続けている」とコメントしています。
新語大賞に選ばれた「言語化」を英訳してみよう!
「新語」は今後も使われ、定着することが期待される言葉です。
そんな「新語」を英語に翻訳できるのか、気になりませんか?
そこで、翻訳センターの翻訳者であるジョンさんに、「言語化」の英訳について聞いてみました!

ジョンさん、「言語化」って日本語の辞書にも載っていない言葉なんだけど、
英語ではどう表現するの?

「言語化」って日本語の辞書に載ってないの?びっくりだね!
英語だと「put into words」が近いかな。感情を含む場合に使うことが多いよ。
例えば、「How can I convey my feelings that I can’t put into words?(この「言語化」できない気持ちをどうやって伝えればいいのだろう?)」のように否定形で使うことが多い気がするよ。

「put into words」は英語ではよく使われる表現だよね!
他にも「言語化」の英訳として使えそうな表現はある?

そうだなぁ、他には「verbalize」を使うこともあるよ。
ちょっと固いイメージだけど、学術用語ほどは固くないかな。
feelings(感情)やidea(アイデア、考え)、concept(コンセプト、概念)を表現するのに使えるよ。
「Thank you for verbalizing this idea much better than me.(私よりもずっと上手にこのアイデアを言語化してくれてありがとう)
」なんて言うことがあるよ。

ジョンさん、ありがとう!!
自分の気持ちを「言語化」するのって難しいけど、素敵なことだよね。
みんなも他に当てはまりそうな英語があったら、ぜひ教えてね!
まとめ
いかがでしたか?今回は「新語」にフォーカスして「流行語」との違いや、2024年に選ばれた「新語」を紹介しました。
「新語」は一時的な流行語ではないため、今後の定着ぶりを見守る楽しさもありますよね。
今回選ばれた「新語」が10年後にも使われているのか期待しながら、今後の「新語」にも注目していきましょう!
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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翻訳センター インサイドセールスチーム

とらんちゃん
「とらん」だけに「トランスレーション(翻訳)」が得意で、世界中の友達と交流している。 ポケットに入っているのは単語帳で、頭のアンテナでキャッチした情報を書き込んでいる。
- 生年月日1986年4月1日(トラ年・翻訳センター創業と同じ)
- モットー何でもトライ!
- 意気込み翻訳関連のお役立ち情報をお届けするよ。
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