海外で特許を取得したい!翻訳を依頼するにはどうするの?
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外国へ特許を出願する際には、特許明細書を出願する国の言語に翻訳することが求められます。お客さまごとに希望する翻訳仕様が異なるのと同様に、翻訳の依頼方法も多岐に渡ります。
翻訳文が納品された後に「思っていたものとは違った」という後悔をしないために、特許翻訳の依頼時に役立つ情報を紹介します。
この記事では、特許翻訳の依頼方法について紹介するよ。 依頼方法一つで、品質アップもできるかも!?
特許翻訳の依頼時にはどのような情報が必要なの?
必要な情報
特許翻訳の依頼時には、最低限、
- 翻訳の範囲(例:請求項のみ)
- 言語方向(例:日本語→英語)
- 出願ルート(例:PCT ※出願用明細書翻訳の場合)
- レイアウトの要否(例:要)
の情報が必要です。
特許翻訳は、言語方向が同じであっても、出願ルート(PCTルート、パリルート)毎に求められる仕様が異なります。出願用明細書翻訳の依頼時には出願ルートの情報を必ず伝えましょう。
また、特許明細書に表、数式、化学式、図面などが含まれる場合は、レイアウト作業も必要になることがあります。翻訳会社に翻訳と併せてレイアウト作業も依頼するのか、前もって決めておきましょう。
レイアウト編集については下記の記事でも説明しているので、ぜひご覧ください。
翻訳会社は、最低限、上記4つの情報があれば翻訳作業を進めることができます。
さらにプラスαとして、下記の情報も伝えると、翻訳文の品質をより希望に近づけることができます。
品質アップへの近道! プラスαの情報
特許翻訳を依頼する際、翻訳会社に伝えることで品質向上につながるプラスαの追加情報について紹介します。
[希望納期]
特許出願には期限があります。翻訳納品から出願までのフロー、各関係者が作業に割く時間を考慮し、逆算して翻訳の納期を考える必要があります。
希望納期の指定があれば、翻訳会社は希望納期に合わせて翻訳者の手配を行います。希望納期が特にない場合、翻訳会社は原稿の分量と翻訳者のスケジュールをもとに最適な納期を提案します。
一般的に納期と翻訳品質とはトレードオフのため、余裕を持った納期設定が品質アップの近道です。
ここでとらんの小話を披露!
特許翻訳の納期は、他ジャンルの産業翻訳の納期と比べて少し長めなのが特徴。「思っていたより納品までに時間がかかった」とならないために、希望納期がある場合は伝えておくと安心だよ。
[参考資料]
「類似した技術分野の原稿」と「その翻訳文」、「頻出用語の用語集」などがあれば、依頼時に併せて送りましょう。
「希望する訳語/表現ではない」というミスマッチを防ぐためにも、参考資料があれば、あらかじめ翻訳会社に共有するといいでしょう。
[翻訳者の希望情報]
翻訳の品質は、「正確性」などの客観的に評価できる部分と、「読みやすさ、コメントの的確さ」などの主観的な評価になる部分に分かれます。
前者の「正確性」については、翻訳会社が納品前に適切な校正を行います。
後者の「読みやすさ、コメントの的確さ」については、翻訳者とお客さまとの相性が大きく影響します。どのような翻訳を希望するのか、どのような翻訳者に作業してもらいたいのかという情報をあらかじめ翻訳会社に共有するといいでしょう。
「そう言われても、具体的なイメージがわかない・・・」 という場合は、翻訳会社に無料トライアルを利用したいと相談してみてはいかがでしょうか。翻訳会社や翻訳者との相性を事前に確認することができます。
もう一つとらんの小話を披露!
(特許翻訳者はこんな人!)特許事務所、企業の知財部出身の人が多く、中には弁理士資格をもった翻訳者もいるよ。語学力、専門分野、特許関連知識に精通したスペシャリストなんだね。関連案件を前回と同じ翻訳者に依頼したいということで、翻訳者を指名するお客さまも多いんだよ。
[案件の継続性]
類似の案件が続く場合は、品質、スピードに加えて、さらに案件間での品質の均一化、コスト削減という点も考えて依頼先を決めることをおすすめします。
例えば、内容が類似する案件の場合、前回依頼した翻訳と同じ文章が頻出することがあります。
その場合、 翻訳支援ツールを使っている翻訳会社であれば、ツールを有効に活用し、前回の表現に合わせて翻訳していきます。さらに翻訳文をリサイクルすることで品質の均一化だけでなくコスト削減につながる場合もあります。
自分が翻訳支援ツールを使っていなくても、依頼先の翻訳会社が翻訳支援ツールを使っていれば、ツール活用のメリットを得ることができます。
翻訳支援ツールを使うには、Wordなどのテキストが編集できる元原稿が必要だよ。
翻訳支援ツールは、翻訳文のリサイクル以外にもQAチェック機能があって、文章単位の訳抜け、スペルミス、数字の間違い、用語集違反など自動的に検知できるよ。
とらんもたまに間違っちゃうから、検知してもらえると助かるね。
依頼書/テンプレートを活用しよう
ここまで読んで、「翻訳会社に伝えることって結構多いし、実際に依頼するとなったら全部忘れちゃいそう・・・」と心配になった方もいるのではないでしょうか。そんなときは、依頼書かテンプレートを作成してみてはいかがでしょうか。
この記事内で紹介した項目を翻訳会社に伝える場合、下記のようなテンプレートにすると必要な情報を漏れなく伝えることができます。
翻訳依頼テンプレートを一緒に作成してみよう!
テンプレート例
- 翻訳範囲:全文
- 言語方向:日本語→英語
- 希望納期:4/1
(納期相談の可否:可) - 出願ルート:PCT
(出願予定国:米国) - 参考資料の有無:有・前回案件
- レイアウトの要否:要
- 事前の見積もり要否:要
- 翻訳者の希望有無:有・前回と同じ翻訳者を希望
- その他特記事項:請求先は「とらんちゃん」宛を希望
特許翻訳の依頼が初めて、もしくは、久しぶりで依頼の仕方がわからない場合は、ぜひこのテンプレートを使ってみてください。
もっと細かい仕様を希望する場合は、翻訳会社に相談すれば、状況に応じたテンプレートを提示してくれるでしょう。
国際出願(特許)について、くわしく知りたい方は以下の特許庁のページより確認することができますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今回は、特許翻訳の依頼時に役立つ情報を紹介しました。外国に特許を出願するために高品質な翻訳を依頼したい、そんな時には翻訳センターにぜひご相談ください。
もっと詳しく知りたい方は、翻訳会社に相談してみてはいかがでしょうか。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
※Wordは、米国 Microsoft Corporation の米国及びその他の国における登録商標または商標です。
翻訳センター 特許営業部
とらんちゃん
「とらん」だけに「トランスレーション(翻訳)」が得意で、世界中の友達と交流している。 ポケットに入っているのは単語帳で、頭のアンテナでキャッチした情報を書き込んでいる。
- 生年月日1986年4月1日(トラ年・翻訳センター創業と同じ)
- モットー何でもトライ!
- 意気込み翻訳関連のお役立ち情報をお届けするよ。
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