大量の資料を急ぎで翻訳!GMP査察資料翻訳を成功させる2つのポイント(セミナー開催レポート)
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今回は、翻訳センター医薬営業部主催セミナー「GMP査察資料翻訳を成功させる!お伝えしたい2つのポイント」の開催レポートをお届けします。
「時間・コストの制限がある中で、いかに品質も確保し大量の資料を翻訳するか」
この難題を解決すべく、本セミナーでは翻訳会社ならではのノウハウに加え、企業内でも取り入れられるヒントも取り上げました。
査察って、たくさんの資料の翻訳が必要だよね。どうしたら、慌てずにすむのかな?
セミナー情報
本セミナーは、主にライフサイエンス関連企業の製造部門に所属されている方々を対象に「GMP査察資料翻訳を成功させる!お伝えしたい2つのポイント」と題して、2024年9月30日から10月11日までの期間、オンデマンド形式の録画配信で開催しました。
翻訳センター医薬営業部が長年にわたり対応してきた大量短納期の翻訳案件の経験から、その代表例とも言える「GMP査察翻訳資料」を題材に、品質・費用・納期(いわゆるQCD)の最適化の鍵となる「2つのポイント」をご紹介しています。
それでは、セミナー内容をダイジェストで見ていきましょう。
査察資料翻訳の課題
今回テーマとして取り上げたGMP査察では、通訳の手配を含むFDA査察官の受入準備など、査察当日が近づくに連れ、多くのタスクが発生します。その中でも、査察に必要な資料の翻訳量は膨大で、何から手を付ければいいか、途方に暮れる担当者も多いのではないでしょうか。
さらに頭を悩ませる要因は、どれだけ対象資料のボリュームが多くとも、査察開始までに翻訳を完成させなければならない、ということです。そして、査察対応をスムーズに完了するには訳文の品質も求められる・・・そう、査察資料の翻訳は、「QCD」のどれも妥協できないという課題を抱えているのです。
この「QCDの課題」はトレードオフの関係にあり、すべての課題を完全に解消することは難しいと思いますが、必ず守らなくてはいけない「期限」を最優先し、ほか2つとのバランスをとることで、査察資料翻訳を成功に導くことは可能です。
そしてQCDのバランスを取る施策として翻訳センターが提案するのが、「事前準備」と「CATツール活用」です。
ポイント1:事前準備
「段取り八分、仕事二分」と言われるように、何事も準備は大切です。
翻訳作業も同様で、限られた時間で最大限のパフォーマンス(品質)を出すには、事前準備が奏功します。
翻訳センターが提案する具体的な「事前準備」は、
- 作業ルールの策定
- 用語集の整備
- 予算感の把握
の3点です。
ピンとこない項目も含まれているかもしれませんね。では具体的に見ていきましょう。
1.作業ルールの策定
査察資料翻訳に代表される「大量・短納期案件」では、「複数名で作業を分担する」ことで時間あたりの翻訳スピードを上げるのが一般的です。
ただし、時間と品質はトレードオフの度合いが強く、人数を増やせば増やすほど翻訳内容にバラツキが生じます。このバラツキを軽減するために、事前に作業ルール(表記や文書体裁のルール)を定めることで、ある程度、品質を均一化することができます。
2.用語集の整備
作業ルールと同様に、複数名が並行で翻訳する際に「統一されていないと目立つ用語」(例えば、文書内に登場する社内担当者の氏名の読み方や役職名の英語表記、標準作業手順書などの社内文書名の英訳)の共通認識を持っておく必要があります。それらの用語は、翻訳作業を始める前に用語集としてまとめておくことをおすすめします。
なお用語集の整備は、前述の作業ルールと同様に、査察で使用する対象原稿が確定していなくても準備を進めることができます。また2つ目のポイントでご紹介する「CATツールの活用」でも効果を発揮します。
用語のバラツキは、査察官の印象を悪くするなんてウワサもあるらしいよ!
みんなで翻訳するときは、用語集は必要だよね。
とらんもポケットの単語帳をいつも使っているよ!
3.予算感の把握
翻訳作業を外部委託する場合、対象資料の選定に時間を要し、正式な見積もりを依頼する時点で査察日が間近にせまっていることも少なくありません。金額によっては社内稟議を通すまでにさらに時間がかかり、予定どおり翻訳作業を開始できないケースもあります。
こういった事務処理も、じわじわと時間を圧迫していくものです。
翻訳センターでは、対象資料が確定していない段階でも概算の見積もりが可能です。もちろん無料で対応しています。
ご用意いただくものは、サンプルファイルと全体の概算文字数、おおよそのファイル数のみ。予算取りの計画段階でも、ぜひお気軽にご連絡ください。
いずれにせよ、実際の翻訳作業を開始する前に十分な余裕を持って準備を進めておきましょう。
限られた時間の中で訳文の品質を確保するには、事前準備をしたうえで、翻訳期間(査察対象文書が決まってから査察当日まで)を「純粋な翻訳作業のみ」に集中できる環境にすることが肝要です。
また翻訳作業を外部に委託する場合は、社内レビューの期間を織り込むことも忘れずに・・・!
ポイント2:CATツールの活用
2つ目のポイントは、「CATツールの活用」です。
CATツール(翻訳支援ツール)は、人による翻訳作業をサポートしてくれる便利なツールですが、特に査察資料の翻訳では本領を発揮します。
【参考】CATツールの利用効果
査察資料翻訳でCATツールが本領発揮する理由
翻訳メモリや用語集、CATツールに装備されているQA機能の活用といった、CATツール利用の標準的な品質効果が見込めるうえ、査察資料の特性も相まって、CATツールと査察資料翻訳は非常に相性がいいことがわかっています。
- 査察資料には社内の標準手順書や報告書といった文書が含まれますが、その多くがテンプレート利用の型化された文書のため、文書内・文書間の重複が非常に多い。
- 複数名で作業する場合、チームとして同じプロジェクト上で翻訳作業を進めることで、効果的な用語集の活用や、類似文の表現統一を図ることが可能。
CATツールの利用により対象文書内の重複を大幅に圧縮することで、費用面のみならず、最優先事項である納期の削減も可能です。つまり、CATツールの活用は、QCDのすべてに効果的であると言えます。
CATツールを使いこなす翻訳会社に依頼するメリット
セミナーでは触れませんでしたが、翻訳を内製する場合でもCATツール導入は効果的です。
ただし、CATツール導入費との費用対効果、各種機能を効果的に利用するための初期設定やプロジェクトの準備など、運用面で負荷が発生します。また翻訳対象文書はスキャンデータ(PDF)であることも多く、データをCATツールに取り込むためのテキスト化も大変負担が大きいものです。
その点、翻訳センターでは日常的にCATツールを利用しており、スキャンデータのテキスト化も翻訳業務の一環として対応しています。査察資料翻訳以外でも医薬翻訳で標準的なガイドラインの対訳や用語集も整備・活用しており、お客さまごとに翻訳メモリや用語を蓄積・管理することも可能です。
自社でCATツールを導入していなくても、日頃からCATツールを使いこなしている翻訳会社へ依頼すれば大丈夫だよ!
まとめ
セミナーでは、CATツールはQCDの課題全般に効果を発揮すること、文書内の重複が多い査察資料翻訳では、特に費用・納期面での寄与が大きいことをお伝えしました。そしてこのCATツールの機能を最大化するには、ポイント1でお伝えした「事前準備」、つまり、作業ルールの策定や用語集の整備を十分な余裕を持って進めることが重要ともお話しました。
いかがでしたか?大量短納期案件を数多く対応してきた翻訳センターだからこそ、査察資料翻訳を担当する方々の負担を減らすTipsをぜひお伝えしたい!との思いで開催した本セミナー。おかげさまで、大勢の方にご視聴いただきました。
翻訳センターでは、査察資料翻訳に限らず、翻訳作業が具体化していない段階からサポートが可能です。
ぜひお気軽にご相談ください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
翻訳センター インサイドセールスチーム
とらんちゃん
「とらん」だけに「トランスレーション(翻訳)」が得意で、世界中の友達と交流している。 ポケットに入っているのは単語帳で、頭のアンテナでキャッチした情報を書き込んでいる。
- 生年月日1986年4月1日(トラ年・翻訳センター創業と同じ)
- モットー何でもトライ!
- 意気込み翻訳関連のお役立ち情報をお届けするよ。
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