アクセシビリティとは?すべての人に伝わる動画コンテンツの重要性

2024.7.17

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アクセシビリティとは?すべての人に伝わる動画コンテンツの重要性

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    皆さんは「アクセシビリティ(accessibility)」という言葉を耳にしたことはありますか?

    「アクセシビリティ」とは「近づきやすさ」や「利用しやすさ」を意味し、年齢や身体的条件などに関係なく、すべての人が同じように利用しやすい状態や、その度合いを指す言葉です。

     

    例えば、飲み物を飲みづらい患者さんのために開発された曲がるストローや、手を使わずに入退室できる自動ドアなど、さまざまな形で私たちの周りに存在しています。

     

    そして、誰一人取り残さない社会を目指して「アクセシビリティ」は単なる配慮ではなく、不可欠なものになりつつあります。

    今回の記事では、高度情報社会において情報伝達の要ともなる「動画コンテンツのアクセシビリティ」にスポットを当て、その重要性や具体的な対応策をご紹介します。

    とらんちゃん

    この記事を読んでくれているみんなの周りにも、実はアクセシビリティが大活躍しているよ!この記事を通してアクセシビリティの大切さを知ってもらえたら嬉しいな。

    アクセシビリティと法律

    2024年4月1日に改正障害者差別解消法が施行されました。改正法では動画(映像)のアクセシビリティ化を含む「合理的配慮(※)」の提供が義務化されています。また、日本以外の諸外国でもアクセシビリティに関する法規制が更新されており、アクセシビリティは国際的な取り組みの一環となっています。

     

    ※「合理的配慮」とは、体の不自由な方が日常生活や社会生活をおくる上での困難さを、周りからのサポートや環境の調整によって軽減するための配慮です。

    動画アクセシビリティの重要性

    会社紹介、商品・サービス紹介、広報・IR、研修用の動画など、情報を伝える手段として動画コンテンツは非常に効果的です。しかし、すべての人が平等に情報にアクセスできるようにするためには、アクセシビリティの確保が必要です。特に近年では、「ウェブアクセシビリティ(※)」の認知が広まっており、ウェブコンテンツの一つである動画においても、その重要性はますます高まっています。

     

    ※「ウェブアクセシビリティ」とは、すべての人がウェブサイトの情報やサービスを利用できること、またその情報への到達度を指します。

     

    【動画のアクセシビリティ化が企業にもたらす影響】

    • CSRの向上/ブランドイメージの醸成
      アクセシビリティ対応の動画は企業の責任意識を示し、信頼性を向上させます。また同時に、包括性と革新性のある企業としてブランド価値を高めます
    • 顧客層の拡大
      多様な顧客層にリーチすることで潜在的な顧客基盤を拡大します
    • IR活動の充実化
      より多くの投資家に情報を届けることで投資家との関係を強化し、市場における存在感を高めます。また、コミュニケーションの質を向上させ、企業の透明性を促進します

    誰のための動画アクセシビリティ?

    多くの人が、アクセシビリティは体の不自由な方だけに向けた取り組みと考えがちですが、実際にはそうではありません。

    母語とは違う言語の動画を楽しみたい人、年齢とともに視力や聴力が低下した人、怪我や病気で一時的に目や耳が使えない人、騒がしい環境で動画を視聴する人など、動画アクセシビリティのニーズは多岐にわたります。

    とらんちゃん

    アクセシビリティはみんなのためにあるんだね。
    より多くの人とつながるための鍵になりそうだね!

    動画コンテンツのアクセシビリティ実践

    外国語の映画や動画コンテンツの視聴に欠かせない日本語の字幕や吹替は、アクセシビリティ対応の代表例と言えます。しかし近年のアクセシビリティは、特定のニーズに応えるだけではなく、より包括的な対応が求められています。

    ここからは、動画コンテンツのアクセシビリティを向上させるための実践的な方法をご紹介します。

    バリアフリー字幕(キャプション)を追加する

    バリアフリー字幕は、耳の聞こえない方や聞こえにくい方、雑音の多い環境で動画を見る方にとても重要な機能です。通常の字幕とは異なり、セリフだけでなく、効果音や音楽なども文字で表現します。

     

    例:「電話のベルが鳴る」、「ドアが閉まる」などの音や、「(優しいピアノ音楽が流れ始める)」「(悲しいメロディーに変わる)」などの背景音など

    動画アクセシビリティ

    動画において重要な情報である「音」を文字で伝えることができます。また、バリアフリー字幕は話者の特定にも役立ちます。

    動画アクセシビリティ

    バリアフリー音声ガイド(音声解説)を追加する

    バリアフリー音声ガイドは、視覚的に伝えられる情報を音声で補足するナレーションです。セリフや背景音だけでは不十分な情報を補うことができ、シーンの変化、人物の動きや表情などを詳しく説明することができます。これにより、目の見えない方や見えづらい方、眼鏡を忘れた方でも「画」が伝えている情報を理解できるようになります。

     

    例:「うなずく」、「首を振る」、「柱の陰で密かに聞く」などの動作情報や「涙を流す」、「微笑む」などの感情

    動画アクセシビリティ

    ※実際の動画では、字幕部分がナレーションとして読み上げられます。

     

    このようなナレーションを追加する際には、既存のセリフや映像の音に重ならないように配慮が必要です。

    また、「拡張音声解説版動画(※)」では、映像を一時停止しながらナレーションを流すことで、時間的な制約を受けずにより詳細な情報を提供することも可能です。

     

    ※拡張音声解説版の参考動画は、以下よりご確認いただけます。

    出典:日本財団電話リレーサービス「【拡張音声解説版】公共サービスとしての電話リレーサービスのご紹介」クリエイティブ・コモンズCC BYライセンス

    とらんちゃん

    まずはアクセシビリティについてみんなで話し合うことも大切だよ!

    その他の動画アクセシビリティ対応

    アクセシビリティ対応として考えられる他の方法についても見てみましょう。

     

    • 手話通訳動画の組み込み
      手話通訳動画とは、耳の不自由な方や手話を使用する人々が情報にアクセスできるように、音声情報を手話で表現した動画のことです。ニュース、教育コンテンツ、エンターテイメントなど、さまざまな分野で利用されています。
    • アクセシビリティを考慮した動画プレイヤーの選択
      体の不自由な方や特定のニーズを持つユーザーが動画コンテンツを容易に利用できるように設計されたプレイヤーを選ぶことも一つの手段です。

      例:キーボードだけで動画プレイヤーを操作できる機能や、字幕・キャプション機能、目の不自由な方のための高コントラストモードや色設定のオプションが備わったプレイヤーなど。

     

    自社サイトのアクセシビリティを評価した上で、テキストや画像のみではなく、動画のアクセシビリティ化にも目を向けてみましょう。

    まとめ

    いかがでしたか。この記事では、アクセシビリティの重要性と動画コンテンツにおける具体的な対応方法をご紹介しました。アクセシビリティは、継続的な評価と改善を繰り返すことで、より良いものになります。自社の動画コンテンツをより多くの人に届けられるよう、この機会に見直しから始めてみてはいかがでしょうか。

    ※記載の会社名、製品名およびロゴは、各社の登録商標および商標です。

    翻訳センター インサイドセールスチーム

    とらんちゃん

    とらんちゃん

    「とらん」だけに「トランスレーション(翻訳)」が得意で、世界中の友達と交流している。 ポケットに入っているのは単語帳で、頭のアンテナでキャッチした情報を書き込んでいる。

    • 生年月日1986年4月1日(トラ年・翻訳センター創業と同じ)
    • モットー何でもトライ!
    • 意気込み翻訳関連のお役立ち情報をお届けするよ。

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