事例紹介
外資系製薬会社様
背景
長くお取引いただいているお客様(外資系製薬会社)から、翻訳の作成過程に品質管理を組み込むことにより、翻訳納品後のお客様企業内でのレビュー業務や、翻訳を発注するたびに必要となる膨大な関連資料の準備作業を軽減したいとのご相談をいただいていました。医薬品開発の関連文書には、品目や試験ごとに他の多数の文書が相互参照されており、中でも治験薬概要書やプロトコールなど改訂版作成が必要となる文書では、翻訳案件ごとに旧版を反映させるための準備が必要となり、担当者様のご負担は大変なものでした。
提案内容
関連資料が翻訳に正確に引用・反映されていることが徹底できれば、レビューのご負担は軽減可能です。これを実現するため、弊社では品目、文書、版数、翻訳担当者などの案件情報をリンクさせ、過去のご依頼データの構造化を行いました。その際、お客様側でレビュー済みの翻訳を弊社でも翻訳メモリに登録し、またアーカイブ化しておくことで、関連文書の翻訳時に品質管理を効率化するための準備も整えました。また、ファイルシェアシステムを用いてお客様の計画を共有させていただくことにより、予定された新規プロジェクトには、過去に類似文書の翻訳を担当した作業者を充当できるようスケジュールを調整したり、翻訳メモリなどの事前準備を進めることが可能となりました。
成果
文書の種類の分類整理や品目情報の蓄積という、製薬会社と同じ視点に立った管理体制は、お客様企業のご担当者様から見ても理に適っているようで、幸い好意的なご評価をいただいております。レビュー結果の活用による翻訳の品質向上および効率化については、現在お客様との長期的な取り組みとして進めているところですが、作業者の調整による品質向上の効果はご実感いただけている模様です。